11/12 広がる中国語の世界と高まる中国語の壁
昨年北京語言大学にプチ留学していた時、最後に老师が阅读の教材としていくつかの雑誌を紹介してくれました。天津に来てから、そのうちの一冊『青年文摘』を購入して、時間がある時にパラパラと読んでいます。
いろいろなジャンルの文章が載っていて、かつどれも短めなので、本当にお手頃教材です。
いくつかの文章は、HSKの文章要約パートの対策に使えそうだと思ってチェックしてあります(まだ対策は開始していない)。
その中で面白いと思ったのが、「如果没有李白,后果会怎样(もしも李白がいなければ、どうなっていたか)」という文章。
普通に詩歌の発展という視点ではなく、現代の日常生活における表現方法に、李白が与えている影響が書かれています。
中国語版の四字熟語である成語には、李白の詩や文章から来ているものが数多くあり、中国語の言い回しには欠かせません。
現代の小説の表現やネット用語の中にも、李白の詩から取っているものがあるのだとか。
海外の化粧品会社の中国語ネームも李白の詩から来たものがあったそうです。
この文章を読み終わった時に感じたのは、「李白ってすごい〜!」というよりは、李白を含めて、中国の古典がわからないと、中国と中国人を理解することはできないのではないかという恐怖です。
未だ成語の世界に足を踏み出せていなかった私は、目の前にある中国語の世界が一気に広がって、途方にくれています。
授業も聞き取れる部分が増えてきたし、友達と喋って聞き返すことも少し減ったし、中国語の進歩を感じ始めていた矢先に、頭をガツンと殴られた気分。
中国語の壁は高い…。
確かに中国人と喋っていると、いきなり成語や漢詩の一節が登場してきて、ぽかーんとした顔の私に、彼/彼女が元の漢詩の意味を説明してくれる、なんていうことが時々あります。
そんなとき、中国人はなんて教養が深いんだ…と感心してしまいますが、きっと学校で誰もが習う常識なんでしょうね…。
中学生の時に、「矛盾」のエピソードを漢文で読んだ時の感動は忘れられない…!笑
思えばこのころから私は中国(語)の世界に魅力を感じていたのか…。
しかし、日本語で考えてみれば、和歌や俳句、古文の中に登場する言葉や四字熟語を日常会話の中に普通に織り交ぜてくるということですよね?
そのような機会は(私の身近には)あまりありません…。
例えば、ピカピカの高層ビルが立ち並ぶエリアもあれば、少し裏に入ると昔のままの胡同と、そこに住む人の生活が感じられる、魅力たっぷりの北京と同じように、
今はスマホ1台あれば生きていけそうな、とても便利で進んだ中国ですが、この日々進化していく中国と一緒に、その長い長い文化の歴史が忘れられることなく生活や言葉の中にしっかりと生きているのが、中国(語)の魅力の一つかもしれないと感じました。
そろそろHSK6級の勉強で、嫌でも成語に触れる時がやってきました。
物語と一緒に成語や漢詩をを説明してくれる子供用の本はないかな〜。